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『さくら色 オカンの嫁入り』

今日は三越劇場で上演中の『さくら色 オカンの嫁入り』を当日券購入して観てきました
しかも、伊勢丹アイカードを持っていくと1割引!やったー!
だけど、日本橋三越があまりにもハイソサエティな空気だったことに気後れして、開演までずっと丸善に逃げていましたが(笑)。

この舞台の何が楽しみかっていったら、去年の『ローマの休日』で秋元才加とダブルキャストでアン王女を演じていた荘田由紀さん
オカロと比較するために観に行ったのに、荘田さんの演じるアン王女がかわいくてかわいくて、また彼女が出演する舞台があったら観に行きたいと思っていたので、今回の舞台にはすぐ飛びつきました。
『ローマの休日』の2人のアン王女はどちらの方が上だとかいう優劣をつけるつもりはまったくないのですが、時間が経ってあの舞台を振り返って、今どちらのアン王女が観たいか?と問われたら、私は荘田さんの方が観たいです。

劇場は年配の女性が大多数でしたが、特定の世代の方にとっては「ツレちゃん(鳳蘭)の娘」という印象が強いのでしょうか。私はあんまり意識していないけれど・・・。
そういえば、少し前にYahoo!ニュースで「鳳蘭に初孫誕生」という見出しを見つけた時、荘田さんいつの間に!?とびっくりしていたら、出産したのはお姉さん(荘田さんは次女)のほうだったってことがあったな・・・。
驚かせないでおくれ、Yahoo!ニュース(笑)。

クレジットは3番手扱いですが、タイトルが『オカンの嫁入り』。つまりは、荘田さん演じる娘の月子がほぼ実質的な主人公でした。
月子は1年前に、勤めている会社の東京本社から来た男性に暴行を受けて以来、外出恐怖症になっているという役どころだったのですが、家にいる分には明るくて元気のいいチャキチャキの大阪娘。
(チャキチャキって、江戸っ子に使う言葉か・・・)
アン王女を演じていたときのよく通る声と、頭のてっぺんから指先まであふれる生命力と、顔の表情などの細やかな演技は健在でした。
外出恐怖症を思わせる悲壮感がまったくないと思いきや、オカンの陽子が連れてきた健二が自分に近寄ってきたときに、体をこわばらせて険しい顔を一瞬見せたりと、ふとした瞬間に見せる陰りが印象的でした。
自分も体調を崩して会社を辞めた経験があるだけに、平日の昼間に家にいる後ろめたさとか、周囲から勝手に感じてしまうプレッシャーとか他人事とは思えない面がいくつもありましたわ

オカンと健二が結婚すると聞いたときに月子がそれを認められなかったのは、もちろん話が唐突すぎたのもあるだろうし、健二がどことなく胡散臭くて信用できなさそうな男だというのもあったんでしょうけど・・・。
きっと月子は、家の中では自分にバリアを張ってどうにか明るく振舞って生活していられるのに、そこに見知らぬ人間(しかも男性)がずけずけと入ってくると、かろうじて均衡のとれていた生活が脅かされるのが怖くて、オカンと健二の関係を認めることができなかったんじゃないかと思う。
あとは、長年のあいだ母娘ふたりで生きてきたことを暗に否定されたような気がしたからとか、オカンが結婚することで自分が爪はじきにされるんじゃないかという恐れとか、色んな複雑な感情が入り混じっていたんだろうな・・・。
こうやって、見ている側が想像力をかき立てられる演技の出来る女優さんてやっぱり素晴らしい
あと単純に、荘田さんのしゃべる大阪弁がかわいい(笑)。

これは香寿たつきの微妙な演技のさじ加減によるところも大きいと思います。
でないと、演じ方によっては自分勝手な母親にしか映らなくなりそうなのに、気風がよくてそれでいて女性らしさを失っていないオカンが魅力的です。
白無垢姿も綺麗だったし、客席からは「おーっ!」と声があがったくらいですよ!

この物語の登場人物はみんな誰かしら、肉親を亡くしています。
オカンの陽子は両親もいないし、夫(月子の父)には結婚して半年で先立たれ、大家さんであるサク婆も旦那さんを亡くして子どもも流産(?)していて、研二も両親を亡くして祖父に育てられ、その祖父の恋人にあたる女性も亡くなったばかり・・・って、書いていくと、観客の見えないところで人死んでばっかりじゃないか!とツッコみたくなるくらいなのですが、この物語が決して辛気臭い話になっていないのは、肉親を亡くしている代わりに血のつながらないもの同士がどこかしらで支え合っていることからくる温かさのおかげなのだと思います。

唯一血縁関係がある陽子と月子の母娘も、初めのうちはよくドラマなどにありがちな「ろくでなしの母としっかり者で頑なな娘」なのかと思って見ていましたが、月子は明るくて優しくて、ちょっと頑固なところはあれど屈折した部分はまったくない。
そもそも会社の男性から暴力を受けてしまったのだって、親切心から一緒にタコヤキ食べに誘ってあげたのがきっかけだったわけだし。
陽子だって朝に弱いのと酔っ払いなところを除けば(笑)、真面目に働いているんだし月子の育ち方を見ているとそれなりに良い母親なんだろうな、ってことがよくわかります。
そうでなかったら、研二が惚れることもなかっただろうしね・・・。
この2人を通して見ると、どちらか一方が相手によりかかるんじゃなくて、本当にお互いに支え合って20年以上生きてきたことが伝わってきてくるのが良いです。

それと同時に、大家のサク婆はほとんどこの母娘を実の祖母のように見守っているし、そこに陽子と結婚しようとする研二も加わるわけで、恥ずかしい言い方ですが、人と人とが支え合うのに血縁のつながりというのはあまり関係のないものなのかもしれないなと思いました。

・・・といい感じの話だと思っていたのに、最後だけ蛇足!!
いきなりオカンに卵巣がんが見つかって余命1年だなんていう展開はいらなかった
人が死んでばっかりで非現実的な設定に冷めないでいられるのは、登場人物の温かさのおかげだと思っていたのですが、ここの展開で一気に冷めました
あのまま、オカンと研二が普通に結婚式を挙げてハッピーエンドってことでいいじゃん・・・。
なんで最後の最後でありがちな難病ドラマにする必要があったんだろう

とにかく、荘田さんが良かった!というだけで私には収穫でした
あぁ、タイムマシンがあったら『嵐が丘』とか過去の出演作も遡って観に行きたいくらいです
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テーマ : 観劇
ジャンル : 学問・文化・芸術

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プロフィール

Molly

Author:Molly
1987年9月2日生まれの26歳。

仕事のあいまに英語&イタリア語の勉強、映画鑑賞、演劇鑑賞などをしております。

女の子が恋愛対象の女。
いわゆる同性愛者です。

詳しいプロフィールはリンクの「Mollyのプロフィール」へ!

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